キョウキョウ NOVEL's

キョウキョウ著によるオリジナル小説を公開しています。

第06話 美味しく頂いてます

 モンスターの討伐依頼を遂行して目的が完了すれば、戦乙女クランの拠点に戻ってくる。

  その後は成果を確認したり、冒険者ギルドに報告しに行ったり、任務に同行したクランメンバーと反省会をしたりして、それらの作業が終わってようやく依頼任務が全て完了。その日の仕事が終わりとなって、夕食をとる。

 クラン拠点の中には食堂があって、行けば料理が用意されている。それを食べるのが楽しみで、夕食をとるのが1日の終わりを感じる瞬間であった。

「今日のご飯は?」
「お疲れ様、ギルちゃん。今日は羊肉をローストしたステーキに、サラダ、それとオニオンスープね。ビールはこっち」
「わぁ、美味そうな肉だ。いただきます、ソニアさん」

 夕食を配膳してくれたのはソニアという名前の、戦乙女クランで料理番などを務めて食料管理をしてくれている女性だった。

 彼女はまだ30代ぐらいの若い女性だが、クランメンバー達が食べる毎日の食事を用意してくれている裏方として非常に活躍している人だったので、皆からお母さん的な存在として親しまれていた。

 そして僕の目の前には今、上流階級がとるような豪華な食事が並べられている。普通、一般家庭ならば麦を粥状にしたオートミールと呼ばれている食べ物が主食で、お肉を食べるのは特別なイベントの時ぐらい。

 少なくとも、並の冒険者では食べられるようなものではないメニューが、この戦乙女クランでは、毎日の食事として用意されていてクランメンバー皆が食べることが出来ていた。

 というのも、冒険者として活躍するためにはしっかりとした物を食べないとダメだ、という考えを持っているクランマスターに従って、そして多くの賛同者を得て、拠点で用意されている食事は重要視されて、実際に用意されているのが美味しく豪華なものだった。

 食材はソニアさんのこだわりによって調達してきた物を使っていて、更に彼女が長年にわたり腕を磨いてきた技術を活かして、調理された料理。マズイわけがない。

「ほら、小さいんだから残さずに食べるように。野菜も食べなさいね」
「あ、はい。美味しく頂いてます」

 それに面倒見がいい人で、身体が小さい僕を気遣って沢山食べるように嫌味なく言ってくる人でもあった。もう成長期は過ぎていて、これ以上に身長が大きくなるかどうか定かではないが、とりあえず言われた通りに食べる。背が伸びれば良いな、と思いながら。

 食堂での料理を食べ終えたら、その日は拠点の中にある自室に戻って休むだけ。こんな感じで、僕の戦乙女クランでの1日が終わる。

 

 

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