キョウキョウ NOVEL's

キョウキョウ著によるオリジナル小説を公開しています。

第33話 護衛任務

 公爵家から依頼された大きな仕事、令嬢の護衛任務という役目を果たす為に派遣されることになった人員というのが僕だった。しばらくの間、クリスティーヌという少女の側に控えて彼女の護衛という任務を果たす事になる。

  この人選をしたクランマスターであるレオノールに僕は、当然異議を唱えた。なぜ性別を女性であると偽り隠している僕が、護衛という任務の為とはいえ若い少女の近くで生活することになるか。隠していても僕は男なのだから。

 もっと的確な人、ティナやクラリスといった本当の女性である別のメンバーを派遣するべきだと訴えた。だけれど、僕の意見は考える素振りもなく即却下されてしまう。

 派遣を決めたレオノールは幾つかの理由によって、僕に護衛任務を任せるという彼女なりの理由があったから。その理由を問うと、彼女は隠さず素直に教えてくれた。

 一つは、今回の護衛対象であるクリスティーヌ本人からの熱い要望によって巷で話題になっている僕を派遣してくれとお願いされたから。これは、ブラン公爵からのお願いでもあって、クランの中でも腕前の優れた人員をお願いすると言われたからだという。依頼主で大貴族である方からの要望だからこそ、戦乙女クランの実力ナンバー2である僕が選ばれた。

 そしてもう一つは、王都で話題になりすぎている僕を一旦クランの本拠地から離して事態の沈静化を待つため。護衛任務ということで公爵家に付きっきりとなるので、戦乙女クランから少し距離を取ることが出来る。

 護衛対象が貴族ということもあり、噂で過熱している市井からは離れることが出来るからと説得された。

 その他に男である僕を指して見た目が可愛く清潔感があるだとか、マナーに関する知識もあって貴族社会にすぐ馴染めるからだとか、性格温厚な僕だからこそ高圧的に振る舞う貴族が居ても受け流して対応できるからだとか、他にも色々な理由があって僕が派遣されることに決まった。決まってしまった。


***


「本日から、貴方の護衛に当たる事にありましたギルです。よろしくおねがいします」
「はい、ギル様。こちらこそ、護衛おねがいしますね」

 公爵家の屋敷にて、僕は膝をついてクリスティーヌに護衛を担当することになったと報告と挨拶をしにやっ来てた。すると、彼女は快く歓迎してくれて言葉も丁寧に頼りにしているとお願いをされた。

 護衛任務に指名されていると聞いた時には興味本位で、わがままな所のある少女なのだろうかと考えていたけれど、どうやら貴族にしては珍しく一般市民である人に対しても礼儀正しく接してくれる令嬢であるらしい。という印象を抱いた。


 それからしばらくの間、一日の大半を僕はクリスティーヌという令嬢に付き従い、危険な出来事から彼女を守れるように辺りを警戒しながら、一緒に過ごすことになった。

 クリスティーヌが公爵家の屋敷で過ごしている時にはもちろん、他の様々な貴族が催すパーティーに参加するため外出する時に。それから彼女は学生だったので、授業を受けに学院へ赴く際も同行していた。

 

 

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