キョウキョウ NOVEL's

キョウキョウ著によるオリジナル小説を公開しています。

第31話 魔王の出現は確定なのか?

 モンスターの王都襲撃という事件は沈静化していたが、その余波は酷いものだった。

 襲撃を受けた王都外周部に住んでいた市民は、ケガ人多数で死傷者も出ていた。先日に起きた、ドラゴンバスター、フレーダーマウス、両クランメンバーが暴徒化した時よりも、モンスターによって無差別に襲われた市民の被害は大きかった。

「そんなに酷かったのか」
「市民は、モンスターと戦う力なんて持ってないからね」

 今は、遠征から戻ってきていたレオノールに今回の起こった出来事の報告をしている最中。彼女は外に出ている間にそんな事件が起こっていたのかと、驚いている様子。

 クランメンバー暴走事件の時に比べると、拠点で待ち受けて今回の出来事に遭遇した僕と、外に出ていたレオノールとで逆の構図となっていた。

「早めに対処したけれど、助けられる人にも限界があったから」
「それは、まぁ仕方ない。しかし、王国の兵士による監視はどうなっていたんだ? 王都の近くにモンスターが近づいてきていることに、彼等は気づかなかったのか」

 聞いた話によれば、王国の兵士によって外からやって来ていたモンスターの大群は発見され、報告もされていたようだ。しかし、上司への伝達が上手く言っていなかったのか、それとも意図的に情報を握りつぶされたのか定かではないが、どこかでモンスターが襲撃してきているという警告が止められていた為に、事態の周知が遅れて最悪の結果になったという訳だった。

 報告が遅れてしまっている間に、街の防御壁を突破されて王都にモンスター侵入を許してしまった。

「いよいよ、この国も危うくなってきたな」

 魔核の発生、大手クランの暴走、そして今度はモンスターの王都襲撃に、次には魔王の出現が起きようとしていた。

 どれも大きな事件であり、短期の間に集中して起こって王国に大きなダメージを与えていた。しかも、今回は王国の対応の仕方も悪くて、結果的には見逃せない程に大きな損害を被ってしまっていた。レオノールの王国に対する悪評価も、適正と言わざるを得ないだろう。

「魔王の出現は確定なのか?」

 レオノールの疑問。モンスターの王都襲撃は、あの喋る変異モンスターが仲間を集め指揮した事で起こった出来事だった。そして王都を襲ってきた奴らは、空を飛び回りながら魔王が現れたと言い散らしていたらしい。王都に侵入してきて、市民を襲いながら。

「僕は聞かなかったけれど、生き残った市民の話によれば近い内に世界が魔王の力によって終わりを迎えるだろう、って言い回っていたらしい。魔王の出現を人間に知らしめる為、って目的の王都襲撃だったみたいだ」

 話を聞いて、頭が痛いというように額に手を添えて悩みだしたレオノール。こうして、今回のモンスター王都襲撃によって王国は大きな痛手を負って、魔王の出現は皆に知られる事実となった。

 

 

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