キョウキョウ NOVEL's

キョウキョウ著によるオリジナル小説を公開しています。

第27話 大変です!

 魔核処理の仕事は順調に進んで、もう少しで王国全土にわたっての調査を終えようとしていた。

 魔核の捜索を繰り返し行っている間に、最近では遠征している彼女たちは魔核を見つける能力も上がっているようで。魔核が隠れていて有りそうな場所も、感覚で見抜けるようになったらしく、一箇所を探す時間も徐々に短縮していったと報告で聞いていた。

 作業が効率化していって魔核の処理は当初予定していたよりも、大分早く終わりそうだった。

 だがしかし最近では、人語を喋る人型で空を飛んでいる、肌も真っ黒な不気味なモンスターの目撃情報が各地で多発するようになっていた。レオノールが以前見つけて、はからずも速攻で倒してしまった奴と同じだろう。

 その喋るモンスターは、地方にある町や村等の人間が住む場所を襲撃しているらしい。他のクラン達が事に当たっているが、なかなか手強くて倒しきれず退けるにとどまっているという。魔核処理の仕事が終われば今度は、その喋るモンスターの対処を僕たちのクランに任されそうだ、と予想していた。

 そんな頃に、起こった出来事だった。

「ギル様、大変です!」
「どうした?」

 僕の名を大声で呼んで、とても慌てた様子で勢いよく扉を開け放ち、部屋に入ってきたのはクラリスだった。普段は沈着冷静な彼女の慌てぶりに驚いたものの、僕は冷静に対応しようと席に着いたまま何事かと尋ねる。

 クラリスは机に近づいてきて少し落ち着きを取り戻してから、何事かを報告してくれた。

「大量のモンスターが王都に襲来してきました。既に、街の外周区域にモンスターの侵入を許してしまっている状況だそうです」

 真っ先に、王国の兵士はモンスターが王都に侵入されるまで何をしていたのかと、愚痴りそうになった言葉を押し込める。そして、今自分たちに必要な動きを考えて動き始めることに。

「なるほど、わかった。今すぐ拠点に居るメンバー全員に警戒態勢の知らせを出して、迎撃の準備を始めよう」
「はい」

 モンスターの王都襲来、しかも既に街の中に侵入されてしまっている状況に彼女が慌てている理由を理解した。すぐに、警戒態勢をとる許可を出して迎撃の準備を行う。

 前回、ドラゴンバスターのクランメンバー達等が王都を襲った時に僕は、後輩の訓練に出ていて居なかった。その時とは違い、今回は逆にレオノール達が遠征に出ていて拠点に居ない。拠点に籠もって仕事をしていて、今回の出来事に遭遇。

 しかし、今度は人ではなくモンスターが襲ってきているという。街の外周にある住居地に侵入されてしまったとなると、住民への被害も大きくなりそうだ。一刻も早く対処しなければならない。

 僕は武器を取って防具を装備し、戦いの準備に1分も掛けないで部屋から外へと出た。戦乙女クラン拠点の建物出入り口には、既にメンバー何十人かが戦闘の準備を終えて指示を待っていた。彼女たちは、少し前にも拠点が襲撃されるという経験によってだろう、準備も早くて慌てた様子もない。皆、落ち着いて入るようだった。

「今からメンバーを分けて、モンスターの王都襲撃に対処する」
「「「了解!」」」

 僕の声に、皆が瞬時に反応する。襲ってきたモンスターに対して打って出る迎撃班と、拠点を守ることに徹する防衛班に分けるように、名前を呼んで班分けをしてから事に当たらせる。

 そうしている内に、戦いの準備を終えて続々と集まってきたクランメンバー達。皆が準備万端で、戦いに赴くのに問題ない状態。

「では、迎撃班は今すぐに出発する。第一優先は市民の救出だ。急ぐぞ!」
「「「おう!」」」

 拠点の防衛班をその場に残して、迎撃班を引き連れて出た僕はモンスターの居る場所を探す。人が襲われている悲鳴が聞こえて、煙が上がり被害が大きそうな場所に目星をつけて、急ぎモンスターが侵入して市民が攻撃されているであろう場所に向かった。

 

 

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