キョウキョウ NOVEL's

キョウキョウ著によるオリジナル小説を公開しています。

閑話05 遠征中

 ギルが戦乙女クランに勇者が派遣されようとしていて悩ませている最中、そしてレオノール達が人語を話すモンスターと遭遇する直前の出来事。

  レオノールは戦乙女クランのメンバーを引き連れて、ギルが様々な方面から集めてきた情報をもとにして立ててくれた計画の予定に従って、魔核が存在する可能性のある場所を目指し向かって遠征に出ていた。

 目的の場所に到着したら、半日から1日ぐらいの時間を掛けて辺りの調査を行う。そこで魔核を発見できたら、叩いて砕いていく。その場所の調査が無事に終われば次の場所へと向かう、という様な繰り返しだった。

 魔核が存在する場所には、戦い応えのあるモンスターが多数存在していた。言われていた通り、魔核の影響によって突然変異や巨大化しているのだろう。最近は、王都にある拠点で事務仕事ばかり溜まって外に戦いに出る機会が少なくなっていたレオノールにとっては、刺激のある戦いは歓迎すべき物だった。

 それに、一緒に魔核の調査と処理についてきている後輩たちにも厳しい戦いを味あわせる事によって、良い経験を積ませられるので強敵との遭遇、そして戦いは喜んで立ち向かい、残らず挑んでいった。

「レオノール様! この辺りは、全て調査を完了しました! さぁ、次に向かいましょう」
「もう終わったか。報告ありがとう、ティナ。けれど、お前以外は疲れているようだから、しばらく休憩していこうか」

 疲れた様子が一切見れない、元気いっぱいで体力お化けであるティナとは違って、他に同行しているクランメンバー達はモンスターとの連戦で疲労していた。そんな皆の疲れた様子をリーダーであるレオノールは見逃さず、皆にその場で休むように全員休憩! と大声で指示を出して休ませる。

 

「ギルが立てた計画は、予定通りで完璧ですね。レオノール様」
「そうだな。おかげで作業も順調に進んでいる。長かった作業の終わりも見えてきそうな感じだ」

 元気があり余っていたティナは、休憩中に暇をしていたのでレオノールとの会話をして楽しんでいた。

 彼女たちの話題は、ギルという青年について。戦乙女クランでギルは、性別が男だという事を隠して生活している。なのでクランメンバーの殆からは女性だと認識されているが、この2人はギルの性別がしっかりと男だという事を知っていた。

「そう言えば最近ギルってレオノール様に、戦乙女クランを辞めるって言ってますか?」
「ちょっと前に、言っていたな」

 そう言えば、最近はクランを辞めると言うが却下されて嘆いていているギルを見ていない、と思い出したティナが最近はどうなのだろうかとクランマスターである彼女に事情を尋ねた。

 そう聞かれて、少し前に脱退させてくれと言ってきたギルの事について、答えるレオノール。

 魔核に近寄るのは危ない、性別がバレる危険性が有ると考えてギルが、クランの脱退を申し込んできた事。それなら、自分も辞めて一緒についていく、なんて恥ずかしい言葉を言った事に関しては恥ずかしいので黙って、それ以外をティナに伝えた。

「あぁだから、最近のギルは拠点に引きこもってばかりだったんですね」
「ギルは間違いなく男だから、魔核の影響を受ける危険があるからな」

 見た目女性にしか見えないギルは、もしかしたら魔核の影響を受けないかもしれないとも思えたけれど、性別は完全に男であるという事を知っているレオノールは拠点での事務仕事、魔核に近づけない仕事を任せるという役割分担をしていた。

 ティナも、レオノールの感じている危機感や、魔核にギルは近づけさせないほうが良いという考えに同意する。

 

 

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