キョウキョウ NOVEL's

キョウキョウ著によるオリジナル小説を公開しています。

第12話 拠点を襲ってきた

「ティナ、無事か? 何があった?」

  任務を終えて王都の近くまで帰ってきた時、街から黒煙が上がっているのを発見した僕は、急いで後輩たちを引き連れて戦乙女クランの拠点へと戻っきていた。

 拠点の出入り口付近で、武装して警戒していたティナを発見する。まるで、拠点内に侵入してくる者を拒む様に、ガードしているかのような感じで立っている。

 それから、出入り口付近にはティナ以外にも、武装して拠点の建物を守っているように見えるクランメンバーが居た。攻撃されるのを厳重警戒している、という感じ。

 僕が走り寄りながらティナに向かって、声を上げて呼びかける。すると向こうも気が付いて、手を振って返事をしてくれた。

「ギル、任務から戻ってきたんだ。もう気付いてると思うけれど、ちょっと問題が起きててね」
「ああ。帰ってくる途中で、街の中に煙が上がってるのを見かけたよ」

 やはり、街の中で何かが起きているようだった。しかしティナは、辺りを警戒しつつも何時も通りのテンションという感じで、慌てた様子は無い。もしかしたら、既に問題というのは解決された後なのだろうか、と僕は予想した。

「っと、その前に。任務に行っていた皆は、先に中に入って休んでおいて。ティナ、この娘達は先に休憩させても大丈夫かな?」
「あぁ、うん。多分、もう大丈夫だから中で休んでて問題ないと思うよ。拠点の中は安全だから。みんな、お疲れ様」

 ティナに確認を取ってから、僕と一緒に任務に出ていた娘達を先に拠点へと帰す。街の中で上がっている黒煙を目撃してから僕は急いで走ってきたのだが、ペースを早くして駆けてきた。

 いま後輩たちは返事も出来ないぐらいに息が乱れていて、激しく呼吸を繰り返していた。僕の後ろに付いてくるのがやっと、という感じだろうか。

 僕の休むようにと言う指示に従って、皆がお疲れ様と頭を下げてから、拠点の中へと戻っていった。

 後輩を疲れているだろうからと、先に帰らせた後。ティナと僕の2人になって、拠点の出入り口付近という場所で会話が再開される。

「それで、一体何が起こったんだ?」
「実は、フレーダーマウスのクランの奴らが突然、私達の拠点を襲ってきたんだよ」

 やっぱりという考えと、まさかという思いがあった。

 ティナ達が拠点の出入り口付近で警戒していたのは、襲撃があったからだろうと僕は予想して、その考えは当たっていた。だが、まさかフレーダーマウスのクランの奴らが自ら出てきて、そんな強硬手段を取るとは思わなかった。

 少し前の、クラン会合での出来事。フレーダーマウスとドラゴンバスター、2つのクランが戦乙女クランを侮蔑したような言葉を口にしたり、憎々しげに視線を向けてきていた事から、妬む気持ちを向けられているんだとは気付いていた。

 それに、戦乙女クランのマスターであるレオノールから挑発され、退かされていた事も思い出す。

 しかしまさか、拠点を襲撃してくるという荒っぽいやり方で報復してくるとは思いもしなかった。

 

 

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