キョウキョウ NOVEL's

キョウキョウ著によるオリジナル小説を公開しています。

第09話 ぜひご協力して頂きたい

 先程の報復という様に、当て付ける感じで手助けを立候補した2つのクラン。対して、戦乙女のクランマスターであるレオノールは何事もないように平然としていた。今回の王国からの手助け依頼に対して彼女は、何らチャンスとは思っていないよ、という感じだった。

  まぁ、今の状況でも戦乙女クランには一切問題はないから、これ以上無理をして名を上げることも無い、ということだろう。ただでさえ、今でも嫉妬深く妬みの感情を様々な方面から向けられているのだから、これ以上に名を上げるのに必死になる必要な無い。

「え、えぇ。もちろん、お二方のクランから協力を得られるのは、我々としても非常に助かるのですが、その……。他のクランの皆様にも、ぜひご協力して頂きたい。それから、戦乙女クランの皆様のお力をお借りできれば幸いなのですが」

 進行役の王国から派遣された中年男性は、言葉を選びながらとても言いにくそうにしつつも、先走って名乗りを上げたフレーダーマウスとドラゴンバスター、2つのクランを遠回しに押し止める。

 そして、その場に集まっている数々のクランにも協力を求めていた。と言うか、戦乙女クランは名指しで協力を求められていた。

「くそっ」
「チッ」

 先手を打とうとしたのに失敗して、悔しそうに表情を歪めている。咄嗟に出たというような言葉を発したり、舌打ちをしているクランマスター2人。

 少しは表情を隠そうとはしないのか、やはりクランマスターという立場に相応しい人達じゃないだろうに、と内心で彼らを批判しつつ会議の様子を眺める。

「話を進めても、よろしいでしょうか?」

 進行役の彼が一度、参加しているクランマスター達を見回して確認をとってから、ようやく話を進め始める。

「ではまず、最近のモンスターの突然変異について判明している事を情報共有しておきます」

 王国内でのモンスター突然変異に関する情報、どのくらい発生しているのか、どの地域で発生しているのか、どんなモンスターが突然変異しているのか、等の情報をその場にいる皆に共有していく。

「実は過去にも、今回と同じ様にモンスター突然変異が起こった現象が記録されていました。その時に起こった原因となったのが、魔核による影響だったと書き記されています」

 魔核が原因。確か魔核というのは、鉱物のように地中に埋まっていたりする、存在するだけで環境や生物に悪影響を及ぼす物質だったと、何かの本で読んだ覚えがある。

「今現在、起こっているモンスター突然変異も、その魔核という物質が引き起こしている現象だと我々は結論付けました。皆さんには、まずこの魔核を見つけ出して頂きたい」

 

 

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