キョウキョウ NOVEL's

キョウキョウ著によるオリジナル小説を公開しています。

第20話 勧誘

 サナのパーティーから追放されたという話を聞き終えたレオンは、1つの提案を彼女にしていた。そして、これからどうするかという反応をサナに求めるのだった。

「今、1人ということは大変だろう? 一緒に俺たちとパーティーを組まないか?」
「え? 良いんですか?」

 彼女の事情を聞いて分かった、パーティーから追放されるという状況。そして、似たような話を知っていたレオンだからこそ、サナに自分たちパーティーの新たな一員にならないかと誘ってみることにしたのだった。

 サナにとっては思いがけない誘いを受けて、表情を明るくしていた。だがしかし、彼女は言葉を止めて少し考え込むと、次の瞬間には再び表情を暗くしていた。なぜなら、本当にレオンのパーティーに加わってもいいのかどうか、加わるべきなのかを迷ったから。

「でも、あなた達に迷惑を掛けてしまいます。助けてもらって、食事まで施していただいて、しかもパーティーメンバーに誘ってもらうなんて……。いえ、そこまでして頂かなくて大丈夫です」

 そしてサナは、パーティー加入については断る返事をしていた。レオンに誘ってくれた事は嬉しいけれど、これまで助けてくれた分で十分だと。これ以上の助けは必要ないとハッキリ断っていた。

 彼女が口にした言葉の通り、これ以上はレオンに迷惑を掛けたくないという理由があった。その他にも一度落ち着いて冷静になったサナは、知り合ったばかりのレオン達に対して少し警戒心を抱くべきなのではないかと考えるようになったから

 つい先程、元パーティーメンバーからキツイ言葉を浴びせかけられてパーティーから追放されると、魔物の生息している森の中に1人で放り出されるという出来事を経験していた彼女。

 そんな負の経験を話している内に思い出して、ネガティブな考えに取り憑かれてしまっていた。そして助けてくれたレオンに対しても、嫌なイメージが頭に浮かぶようになっていた。

 よくよく考えてみれば、もしかしたらこんなに親切にしてくれているのも何か理由があるのではないか。後々お金を請求されるんじゃないか、とかパーティーメンバーに迎え入れるのは、何か悪い目的があるんじゃないかと自分に都合の良すぎる展開にサナは心配性になっていた。

 自分のような人間を親切で助けてくれるはずはない、という考えによって。

 そんな彼女を見ているレオンの心の大半は純粋に助けたいと願う親切心だったので、サナの心配している考えは見当外れだった。

 今のサナが陥っている精神的な危うさや、心細そうにしている姿を見いていれば、この場で放り出すことは出来ない。でも、あまりしつこく勧誘するのも問題がありそうだと考えたレオンは、それ以上は強引にも誘えず、さてどうしようかと悩んでどっちつかず。

「……」
「……」

 彼女を助けられないかと悩むレオンと、これからどう対応すればいいのか悩むサナの2人は、どちらもどうすればいいか迷って黙り込んでしまった。

 黙り込んだ2人に代わってケイが、サナに対して別の提案を投げかけた。その提案とは、次のような事だった。

「一緒に活動するパーティーって感じ、じゃなくて、旅を楽しむ友達って考えで一緒に行ってみようよ。ここで分かれると私達、君のことが心配になって先に進めないからさ」

 ケイはレオンの提案とは少し内容を変えて、でも一緒に行く仲間という関係であることは間違いない、旅の同行をサナに提案してみた。パーティーという言葉を避けて、気軽な感じて一緒にできる方法をサナに向けて提案する。

「えっと、それなら。よろしくおねがいします」

 友達として一緒に行こう、というその気軽さが良かったのかサナは少し悩みつつも一緒に来てくれる事を了承してくれた。


***

 旅に同行してくれる仲間となったサナを加えて、レオン、ルー、そしてケイの4人組となったパーティー。まだ、サナはパーティーに加わることを了承した訳ではないが、周りから見た場合には1組のパーティーにしか見えない集まりだった。

 ルーとケイの2人が戦闘に加われるように、そして自衛のために力を付ける事を1つの目的にしていた今回の旅。森の中を進んでいって、魔物と遭遇する為に歩き回っていた。

「さっきのはガッツキすぎだよ、レオン」
「そう、見えていたかい?」

 森のなかに入って歩いている横にケイが近寄ってきて、サナとの出会いからパーティー勧誘までの出来事でレオンのまずかった対応をケイが指摘している。

「彼女の話を聞いて助けたい、って思ってたのかも知れないけれど、パーティーを追放されたばかりの子をすぐ勧誘はしないように」
「確かにそうだ、ごめん間違ってた」

 こうして、レオンの旅にルーとケイ、それから新たな仲間として僧侶のサナという人物が加わることになった。

 

 

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