キョウキョウ NOVEL's

キョウキョウ著によるオリジナル小説を公開しています。

22.女王様との面会

 勇者の街、マーリアンから王都へ向かう旅も、ついに終わる。つまり、王都へと到着したのだ。道中は、モンスターに何度か襲撃されたが、簡単に撃退。王都の兵士というだけあって、マリアとクリスティーナの戦闘能力は、かなり高かった。その他は特にイベントもなく、3日ほど馬車に乗り続けて王都へと到着した。

 俺は、馬車の荷台から身を乗り出して、王都を眺める。今まで、経由して見て来た街や村に比べ物にならないぐらいの大きさの城下町があり、その先に立派な城が見える。

「あれが、私達の仕えている城、オウリハンです」
 得意げな顔をして、マリアが城と城下町を紹介してくれる。マリアの解説を聞きながら、門をくぐり、街の中、馬車を進める。

立派な城門前まで来ると、マリアに馬車を下りるように指示される。
「少しここで待っていてください。直ぐに戻ってきますからね」
 マリアは馬車を厩舎に収容してくると言い、待っているように指示されたので、パトリシア、クリスティーナと一緒にしばらく待っていた。

 城門前は、女性二人の兵士によって守られていた。やはり、城の警備も女性達がやっているのだろう。ここまで来る街や村には、男性の警備兵というのは居なかった。待っている間、そのうちの一人に話しかけられた。
「もしかして、医者の方ですか?」
「え? えぇ、一応そうですが」
 話していいか一応迷ったため、クリスティーナの方を見ると頷きを一度返された。話していいと判断して、兵士の質問に答える。

「そうですか! 是非姫様を助けてあげてください」
 女性の兵士は、お姫様が原因不明の病気に罹っている事を知っているようだった。そのお姫様を助けてくれと、何度も頭を下げる。この兵士を見ると、この国のお姫様がかなり支持されている人間なのだと分かる。

「済まない、待たせました。さぁ行きましょうかユウ様、パトリシア」
 マリアが、馬車を収容し終わったのか、俺達が待っていた城門前まで走って来る。そして、城の中へと案内される。

 城の中は、かなり豪勢な作りになっていて、大きな空間が広がっている。中央に2階へ上がる階段があり、歩く廊下の絨毯もふかふかな出来になっている。階段を上がり、大きな扉を一つ超えると、また待つように言われる。
「何度もすいません。また、ココで少々お待ちください」
 今度は、クリスティーナもマリアと一緒に連れ立って、どこかへ行ってしまった。座れるような椅子もないので、仕方なく立ったまま待つことになった。
 部屋は、大きな窓が一つあり、城下町を眺めることができたので、俺はそこから街を眺めて待つことにした。

 しばらく、パトリシアと二人で街のほうを眺めていると、マリアが一人だけ戻ってきた。
「お待たせしました。今から女王様と会っていただきますが、大丈夫でしょうか?」
「いきなり、女王様と面会?」
 思わず、言葉が出る。国のトップが王様じゃなくて、女王様だという事にもびっくりしたが、いきなり、女王様と面会だなんていうのにもびっくりした。パトリシアは余裕そうな顔をしているが、俺は心の準備が出来ていない。
「医者を見つけたと報告した所、一度面会したいと女王様が申されまして……」
 俺の緊張を見て取ったマリアが、言葉を更に続ける。
「そんなに、緊張しなくても、女王様は気さくな方なので、安心して頂いて大丈夫です」
 どうしてもと言うマリアに、緊張しながらも俺は女王様と面会することにした。
「分かりました、案内をよろしくお願いします」

 待たされていた部屋を出て、更に上階に誘導されて、2枚の扉を越える。特別豪勢な作りの扉で一度立ち止まり、マリアが言う。
「この先に女王のティリー様がお待ちです。さぁ、参りましょう」
 マリアに案内されて、いきなり女王様に会うことになって、緊張は一気に高まる。マリアが扉を開き、中へと俺たちを招く。部屋の奥、王座と思われる椅子に女王様が座っているのが見えた。

「ティリー様、例の医者をお連れしました。彼が、その医者です」
 マリアが片手を付いて、ひざまずくので俺も見習って、同じような格好になるようひざまずく。
「面を上げよ」
 厳かな女性の声が、聞こえる。俺は女王様の言うとおりに、顔を上げる。そして、女王様の顔を見る。腰まで伸びている金髪に、気品のある美貌、王女という風格漂う服装。かなりに美人だ。

「そなたがユウじゃな」
 女王は、座っていた立派な椅子から立ち上がり、俺に近づく。そして、俺の手を取ると、こう言った。
「娘を頼む」

 女王のその一言で、俺は彼女の娘を助けてあげたいという気持ちが、一気に高まった。
「わかりました。出来る限りのことはしましょう」
 返事をして、これで引けなくなったと俺は思った。俺の返事に納得したのか、何度も頷いている女王。

「では、早速お姫さまのいる場所へと案内します」
 マリアが、立ち上がり言う。女王様との面会がおわり、早速、お姫さまの診察へと向かうようだ。俺とパトリシアは、案内されてお姫さまが居る部屋へと案内された。

 

 

<< 前へ  次へ >>     目次

【スポンサーリンク】