キョウキョウ NOVEL's

キョウキョウ著によるオリジナル小説を公開しています。

13.ギルド試験・前編

 推薦状については、特に問題もなく取得することが出来た。最後は、ギルドが用意する試験を合格するだけだ。

 俺は、再度ギルドの男性受付に話をするために、カウンターまで足を運んだ。時間は昼すぎなのだが、ギルドの建物の中は朝と違い、ガランとしていて人が居ない。多分、朝にギルドからの依頼を受注して、夜帰ってくるというパターンがあるのだろう。

 

「推薦状、貰えました」
「えぇ、見ていましたよ。後は、ギルド側から出す試験に合格するだけですね」
 男性受付は、笑顔でそう返してくれる。彼の表情から、ギルドの用意する試験はそんなに難しくないのだろうと予測するが、どうだろうか。


「ギルドの試験は2つあります。まずは、実地試験です。モンスターからドロップされる、ヤマノ草というアイテムを合計10個手に入れてください。期限は1日です。今から開始ということで、明日の今の時間までに、ギルドに持ち込みをお願いします」
 ヤマノ草というと、この街に来て初めてマリーと狩りをした時に手に入れたアイテムだ。


「ヤマノ草は分かりますか? 草原に出現する、アリーアというモンスターを倒すことでドロップするアイテムです」
「はい、分かります」
 モンスターの名前は知らなかったが、容姿は分かる。モグラのような土色の、大きな爪を持ったモンスターのはずだ。マリーとの狩りの時に何匹か倒した経験がある。その時に、ヤマノ草もゲットしたので、ヤマノ草がどんなアイテムかもわかる。この試験に関しては、楽にクリアできるだろうと考える。


「実地試験に際して、仲間の手は借りないで、一人で試験を進めるようにしてください」
「わかりました」
 試験は一人で行わなければならないらしい。マリーに手伝ってもらうことも出来ないか。まぁ、今のレベルならば、問題なくこなすことが出来るだろうが。


「もう一つは、技術試験です。技術試験は、戦闘技術に関する試験です。これは、ギルド側が用意した試験官と模擬戦を行ってもらいます。実地試験が終わり次第すぐの試験になりますので、こちらも注意してください」
「実地試験後、直ぐに試験するのですね。わかりました」
 技術試験か。幾つか対人戦用のスキルは取得しておいたほうが良いなと、考える。対人戦はまだ経験が無いので、こちらの試験は少し用心しないといけないかもしれない。


「説明は以上ですが、なにか質問はありますか?」
「いえ、特に質問は無いです」
 まずは、草原に行ってモンスター狩り、ヤマノ草を10個ゲットする。その後、技術試験で対人戦を行う。試験内容はバッチリ頭に入った。後は実行するのみ。

「ありがとうございました。早速、草原へ行ってヤマノ草を手に入れてきます」
「お気をつけて」
 俺は男性受付にお礼を言うと、早速草原へと繰り出した。

 目的はヤマノ草ということで、標的はヤマノ草をドロップするアリーアというモンスターだ。アリーアは、この草原に出現するモンスターの中で中位の強さだが、今の俺なら手こずることもなく、倒すことが出来るぐらいのモンスターだ。


 草原には人の気配はなく、他に冒険者は見当たらないので、一人でゆっくりとモンスターを狩ってく事にする。


 早速、標的を見つけたので、一応周りに警戒しつつ、モンスターに攻撃を加えるために、腰に掛けてある剣をゆっくりと抜く。
「とぉっ」
 掛け声で相手を威嚇し、標的に対して正確に攻撃を加える。一撃のもと、アリーアと呼ばれるモンスターは倒れる。


「おっ、ラッキー」
 運がいいことに、一匹目からアイテムがドロップされる。ヤマノ草だ。この調子なら、直ぐに10個のヤマノ草は集まるだろう。
 その後、アリーアを探して狩り、探して狩りを繰り返した。

 

 太陽が遠くに見える山に沈み始め、あたりがオレンジ色に暗くなり始める頃には、目標のヤマノ草10個を手に入れることができた。何とか、半日で目標を達成できたようだ。明日のタイムリミットには余裕を持ってギルドに行きたいと考えていたが、予定通りに進みそうだ。

 

 あたりが真っ暗になる前に、街へと戻った俺は、そのままマリーの家へと帰宅した。最近は、当たり前になったマリーとの夕食を過ごす。食事は俺が作ったものを、帰ってきたマリーと一緒に食べるのだ。食事中は、試験のことを話したり、マリーの仕事について聞いたりしながら、過ごした。食事が終われば、食器を片付け寝室へと戻ってくる。

 

 明日の技術試験に向けて準備をしようと、ベッドに横になりながら、スキルリストを眺める。使えそうなスキルをいくつか選んで、取得する。スキルポイントはだいぶ余っている状況なので、取得するスキルは選び放題だ。

 

威圧Lv.1:相手を押さえつけるプレッシャーを放つ
剣術Lv.1:剣で戦う武術を身につける
回避Lv.1:攻撃回避の能力アップ

 

 どれも、取得したばかりのスキルなのでLv.1のままだ。あらかじめ、取得しておいてスキルレベルを上げればよかったと後悔するが遅い。対人戦を想定していなかった、自分の予測の甘さに反省する。少々不安だが、無いよりマシだろう。

 明日の技術試験の試験官はどんな人物だろうか、想像を巡らしながら明日に備えて、身体を休めるようにぐっすりと眠った。

 

 

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