キョウキョウ NOVEL's

キョウキョウ著によるオリジナル小説を公開しています。

第08話 地方大会

 小太刀大地は、バスケットボール部に入部すると短い時間でレギュラーの座を獲得することが出来ていた。これは、元から居た部員の能力が低かった訳ではなくて、大地の神様から授けられた特殊な能力であるステータスを駆使した結果であった。そして、その能力について使い方を学ぶ為の大地にとっていい経験となっていた。

 自分の能力が全て数値化されて見えるようになり、何が得意で何が不得意かひと目見れば数値で確認して比較し、客観的に自分の事を知ることが出来るステータスという特殊な力。数値の高い所を伸ばして長所を強化したり、数値が低い所を鍛えて弱点を無くしたりすることが出来る。しかも、数値で見えているから目に見えてモチベーションも保ちやすい。

 それから、最近では他人のステータスも読めるようになり、相手の力量を測ることが出来るようになっていた。

 バスケを教えてくれている、先生も良かった。未経験であった大地でも、わかりやすく丁寧に基本からしっかりと教えてくれた、一つ上の先輩で同じ部活のメンバーである江西直人という名の人物。

 彼が居てくれたお蔭で、大地もレギュラーを早々に獲得出来るまでに大きく成長出来ていた。江西直人は、バスケをプレーする才能がピカイチで長い時間を掛けて技術も磨いてきた、バスケットボールを学ぶのに参考にするべき人物が近くに居てくれた、大地にとっての大きな幸運だった。

 江西から教えられたバスケットボール技術を余すところなく吸収して、大地は自分の力として取り入れて成長していった。それは、誰が見ても異常と思える程に早い成長スピード。

 1日経っただけで、昨日とは別人のように上達している。それが連日続いて、今では部活のエースであった江西直人に迫る程にまで成長していた。江西にはバスケに関するプライドがあったので、習い始めたばかりの大地に負けるつもりは無かったが。

 ともかく小太刀大地が部活に入部してきたことで、バスケットボール部は大きく変化していた。それは良い方への変化であり、もしかしたら冬のインターハイで良い結果を残せるのではないかと、部長である冨上先輩が期待するほどだった。


***


 大地がバスケットボール部に入部したのは、夏休みが終わって季節が少し過ぎた頃の10月。それからしばらく経って、12月に開催されるウィンターカップと呼ばれている全国大会、それの地方予選大会が行われる日がやって来ていた。

 高校生のバスケットボール大会には毎年、大きく分けて2つの大会が開催されている。

 1つは、夏に行われる通称インターハイと呼ばれている、高校生体育大会の競技の中の1つとして開催され競い合っている、全国大会。そしてもう一つが、大地達がこれから参加する予定のウィンターカップと呼ばれている、名の通り冬に行われている全国大会だった。

「どうだ、やれそうか?」
「なんとか、頑張ります」

 はじめての試合が公式戦となる大地を気遣って、声を掛けてきた江西直人。そんな彼に、まるで緊張を感じていない様子で声を掛けられた大地は返事をしていた。初めてなのに余裕すら感じる、安定した反応。

 一番のポイントガードは、部活でエースと呼ばれている江西が務めて、司令塔のポジションも果たす予定だった。

 そして、大地はセンターの5番を任されてディフェンスを担当する事に。タイミングを見て、練習しているロングシュートを打ったり、リバウンドを制して攻撃に参加したりと、とにかく試合中に色々と試して見るように言われていた。

 

 

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