第17話 ギルドの混乱

 6日ぶりに戻ってきた王都の街に懐かしさすら感じながら、僕たちは冒険者ギルドへと向かっていた。

 本当は一度宿か何かを取って落ち着いてから冒険者ギルドへ報告に向かおうとも考えたが、ダンジョンの入場許可証を受け取りに行った時に冒険者ギルドの受付で対応してもらった女性に言われていた1週間という期限が今日で残り1日とギリギリだったので、なるべく早く報告を済ませておこうと思ったからだった。
 それに、期限が1週間と聞いた時はかなり余裕があるので大丈夫だと思っていたが、思わぬトラブルにより期限ギリギリとなってしまい、これ以上何かしらの問題が発生すれば期限を過ぎてしまう恐れもあったので、コレは行けるときに行ってしまおうとも思い至った。

 冒険者ギルドの前まで来ると、何やら冒険者ギルドが入っている建物の中から女性たちの声が聞こえてきた。

「なんだか騒がしいな?」
「本当ですね、どうしたんだろう。何かあったんでしょうか?」
 フレデリカさんも建物から聞こえてくる声に気づいたようだ。建物の外にいる僕達3人にまで聞こえてくる複数人の大声。ここまで、聞こえてくるとは中でよっぽど声を張り上げて話し合っているのか。しかし、声は聞こえてくるが言葉はところどころしか聞き取れず話している内容はわからない。

「何かしら? ダンジョンとか、冒険者とか聞こえてくるけれど?」
 シモーネさんが耳をすまして聞き取った言葉。
「とにかく、中に入って確認してみようか」
 フレデリカさんは考えても仕方ないと率先して冒険者ギルドのある建物の中へと入って行った。僕とシモーネさんもフレデリカさんの後ろについて建物へと入っていく。

 僕達3人が入ってきても白熱した話し合いは止まらずに続けられていた。声を張り上げて話し合いをしている女性たち。ぱっと見て3,40人ぐらいの人だかりが集まっているのが見える。かなりの人数だ。
 その集まっている女性たちは皆胸当てを装備していて、手には剣や弓、戦棍などを持って見るからに武装している事がわかる。中には全身の鎧を着込んだ完全武装の人も居る。
 年は若そうな人から、中年の女性までバラバラ。多分冒険者達が集まっていると思うんだが、あんな人数で固まって何をしているのだろうか疑問に思いながらも、帰還の報告のためにギルドの受付へと向かった。

「あっ!」
 受付へと近づく途中、受付で座っていた女性が突然立ち上がって僕達を指差して叫ぶ。何やら非常に驚いたような顔で声を出していた。

「エリオットさん、生きていたんですか! それにクロッコ姉妹も」
 よく見ると、6日前に対応してくれた受付の女性だった。生きていたというのは、どう言うことだろうか。やはり、報告が期限の1週間ギリギリなったことが問題だっただろうか。内心で心配しつつ、すぐに受付の女性に近づく。

「あの、ごめんなさい。報告遅れましたが、ダンジョンから帰ってきました」
「あ、はい。無事でよかったです。それで報告なんですが、コチラも少し聞きたいことがございます。申し訳ないのですが、個室を用意しますのでそちらでお話伺ってもよろしいですか?」
 報告の期限である1週間は過ぎていないが、ギリギリになってしまった事についてを謝ろうと思い先に僕の方から話す。しかし、受付の女性はとても慌てた感じで申し訳無さそうにしながら、報告は別に用意した部屋に案内して、そちらで聞くという。
 僕達の方も、リーヴァダンジョンから別のダンジョンに転移したことや、未発見のダンジョンと思われるケラヴノスという名の付いたダンジョンの事について、冒険者ギルドの人に詳しく報告しておきたかったので丁度よかった。

 フレデリカさんとシモーネさんの2人にも別室で話をすることに問題は無いと確認をとってから、僕達3人は受付の女性に連れられて建物の中にある部屋へと案内された。

「すみません、もう一人だけギルドの関係者を話し合いに参加させたいので今直ぐ呼んできます。すぐに戻ってきますので、今しばらくお待ちになっていて下さい」
 部屋に着くなりそう言うと、慌ただしくいま来た部屋を出て行ってしまった受付の女性。

「座って待ちましょうか」
 シモーネさんは言って、部屋に備え付られてるソファーのような背の付いたゆったりと複数で座れる長椅子に腰かけた。
 僕はシモーネさんの隣に座り、僕の隣にフレデリカさんが座る。シモーネさん、僕、フレデリカさんの順となって、女性二人に挟まれて座ることになった。

「建物に入った所で集まっていた冒険者達と、何か関係のある話なんでしょうか?」
 僕が聞きたい事とは何だろうと内容について考え、建物の中に入った所で集まっていた冒険者たちに関係のある事だろうかと予想する。

「受付の彼女は、どうやら私達が死んだと思ってたみたいだったな?」
 フレデリカさんが、先ほど受付の女性から言われた事から考える。そういえば、受付の女性は僕達を見るなり“生きていたんですね”と言ったのだった。

「それに、もう一人ギルドの職員を連れてくると言っていたけれど、誰かしら?」
 シモーネさんにも検討がつかない、彼女がもう一人連れてくる人物とは誰だろうか。

 結局聞きたいこととは何なのか、予想が付かないまま受付の女性が戻ってくるのを待つことに。

 しばらく経って受付の女性が戻ってきた。そして、受付の女性の後ろには熟年の女性1人がついて来ており、部屋へと入ってきた。

 

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