第02話 ゲームの内容

「ゲームは普通に起動した、か」

 覚えのない新作ゲームのテストモニターに当選した、というメールを受け取ってから1週間。応募した記憶もないので、怪しさを感じた僕は一時は無視しようかと考えていた。しかし、新作のゲームという魅力に引き止められてしまい、結局は自分のスマホにインストールをしてプレイを始めていた。

 今は学校が終わって、自宅にまっすぐ帰ってきて自室に居る。ベッドの上で寝転びながら、スマホを弄り、新作のゲームらしいソレを弄っていた。

「見たところ、普通のスマホゲームみたいだ」

 起動してすぐに、ゲームのタイトル画面がスマホに映った。緑の草原と灰色の山々に囲まれた場所で、画面中央には主人公と思われる男性がファンタジーな服装を着込んで、大剣を構えた絵が表示されている。
 それから、画面上部に大きくタイトルロゴがババンと主張している。

 メールに記載されていたタイトルと異ならず同じで、ようやくスマホにインストールした新作ゲームが本物なのだろうと確証を得て、ホッと一息つく。
 最悪の場合は、スマホのデータを強制的に消去して故障し使用不可になるのではなかろうか、という心配までしていた僕は無事だったことに大きく安堵していた。

「じゃあ、早速プレイ開始」

 独り言をつぶやきながら、右手の人差し指で画面をタップ。タイトル画面から次のシーンへと移り、オープニングのシナリオが開始された。

 ゲームがスタートすると、現代日本で暮らしていた主人公の男子学生が異世界召喚されて、ファンタジーな世界に迷い込む、という導入から始まった。

「この男子学生が主人公、という訳か」

 名前入力画面が表示されたので、僕はよくゲームをプレイする時に使用する”リュウ”というアカウントネームを入力する。すると画面の中に表示されている彼が、リュウと名乗った。

 そんな主人公は、僕と同じ高校一年生の16歳だと自己紹介をしていた。更には、学校の雰囲気に馴染めずに友達が少なく、灰色の青春を送っているとモノローグで語られている。

「なんだか、親近感が湧くなぁ」

 自分と同じ年齢で、同じような環境に置かれているらしい主人公を身近に感じながら、ゲームを進めていくと、主人公のリュウは召喚されて見知らぬ場所に連れてこられていた。

 そして、召喚主であるとい自己紹介を始めた王女に説明され、主人公が召喚された世界の現状について知ることになる。

 その世界は何年もの間、魔王の脅威に晒されていて人類は滅亡寸前まで追い詰められたという。
 しかし、最後の人類の希望を託して勇者の召喚を執り行ったらしい王女。その結果、主人公のリュウが召喚されたという。戸惑う主人公に、すがりつく王女。

「なるほど、シナリオは結構オーソドックスな感じっぽい」

 初プレイで感じた、ゲームに対しての率直な感想を口にする。ただ、オーソドックスなシナリオが、退屈に感じたわけではなく、キャラクターデザインやシーンごとの一枚絵が丁寧に書かれていてプレイするのに飽きさせない、すごく面白そうとワクワクさせてくれるような期待感があった。

「ここから、スマホゲームって感じだな」

 主人公は王女に説得されて、魔王と対決することを決意。そして、主人公の戦いを支援するという理由でガチャシステムが始まり、10個のアイテムがランダムに手に入った。

 ガチャの結果については、まだプレイしたばかりで効果の程度や良さが判断できないけれど、見た目だけで判断すると良さそうな結果に感じる。

「ガチャは、キャラクターを集める方式じゃなくて、アイテムがメインになるのか。それで、この集めたアイテムを使ったりして主人公を強くしていく感じかな。最終目的は、主人公を育てて魔王を倒すことみたいだ」

 アイテムの詳細を確認してみると、装備して主人公の能力を上げる武器やアクセサリー、消費して各ステータスを上げていく消耗アイテム、それから、主人公の拠点となる場所を強化していくのに使うらしい資材など、このゲームは全体的に育成メインとなるようなゲームとなっているらしい。

 オープニングのシナリオが終わって、ゲームの操作が自由になる。

「なかなか面白そうだし、プレイを続けよう。まずは、ゲームの進め方の作戦を決めようかな」

 僕は、プレイし始めたこのゲームをだいぶ気に入って、しばらく続けて遊んでみようと決めていた。そう考えて、ゲームのヘルプから読み込み、このゲームに存在する各システムについて理解を深めてから、ゲームの進め方の計画を立てていく。

 効率よく主人公を育てていくには、どうするのか一番か。初動を大事にして、慎重にゲームのプレイを続けていった。

 

***

 

「竜児、ごはんよ!」

 階下から母親の呼ぶ声が聞こえて、僕はようやく部屋が暗くなっていることに気がついた。だいぶ集中してゲームをプレイしていたらしくて、知らない間に結構な時間が過ぎていた。

「わかった、いま行くよ!」

 母親に返事をしてから、スマホの画面に視線を戻してゲームの画面を確認する。最初は、不安に感じていたけれど、やっぱりプレイしてみて良かったと感じていた。まだ続きが気になるけれど、母親の準備してくれた夕食を食べないといけない。

 僕は、なんとかゲームを終了させてスマホの電源を落とし、階下に降りて夕食をとることにした。こうして、徐々にこの新作ゲームの魅力に取り憑かれていった僕は、一日一回は起動してプレイする習慣が身についてしまった。
 
 それから、このゲームは普通のスマホゲームではなく、僕は色々な現実への影響について実感していくことになるのだった。

 

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