第22話 学校前の出来事

 テレビ放映を見た次の日。

 姉さんたちはまだ朝食の時に昨日の話題を話していた。その姉さんたちの朝食の後かたずけをして家を出る。

 途中、圭一と合流し、学校へ向かう。不思議と圭一は昨日の話題は、話に出さなかった。さすがに、言い疲れていたのでちょうど良くはあったけれど不思議に思った。

 学校へ到着すると、校門前にとんでもない人だかりが出来ていた。
 おおよそ100人ぐらい居るだろう。何やら叫んでいる。人だかりを関わり合いにならないように、左右によけながら歩く学生が印象的だった。

 今日の授業のことを話しながら一緒に登校していた圭一が聞いてくる。
「なに?あれ」
「さぁ?」

 大半が女性らしい、その団体は声だかに何か言っているようだったが会話が混線していて上手く聞き取れない。学校の先生らしい人が校門前で大声に何か叫んでいるようだが、

 彼女たちの会話をそれとなく聞いてみると、僕の名前を言ってるように聞こえる。

「今僕の名前言わなかった?」
「えっ・・・?もしかして・・・」
 思案顔になる圭一を見ていると団体の内の何人かがこちらを指さしてひそひそ囁き合っている。いよいよもって、何の騒ぎか気になるがあんまり関わり合いになりたくないそんな雰囲気。

 急いで横を通って、学校に入ろうとすると誰かが叫ぶ。集団から逸らしていた目線が思わず、またそちらに向かった。

「優くんよ!優くんがいるわ。昨日のテレビで見るよりずっと美人!!」
 優と僕の名前が叫ばれたのがはっきり聞こえた後、というか周りの団体が静かになりそのあとのセリフをちゃんと聞き取れた。どうやら、昨日のテレビを見た人らしかった。

「う、うぁっ」
「ゆ、ゆう!逃げろ!」

 先ほど叫んだ人がこちらに向かって走ってくる。目が血走っていて、怖い。圭一が逃げろと言ったが、足が思うように動かないうちに近づかれた。早い。

「あぁ、私の運命の人!会いたかった」
 ぎゅっと抱きしめられる。胸が…。
「ぐ、ぐぅぁ」
 う、うんめい?何やらよくわからないうちに抱きしめられた。息ができない。

「あぁ、この抱き心地。素晴らしい。想像していた以上よ」
 僕の意識は、ぷつんと切れた。

 

 

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