プロローグ

 その時、五人の女性が夜空に輝く光を見ていた。

 一人は、日課である魔法の練習を毎日毎日ひたすらに繰り返して、修行の日々を過ごしている女性。彼女は、今日の一日のノルマとして設定していた量の訓練を終えて、小休憩している時にふと空に目をやると一番に輝いている光を見て、過去を思い出していた。

 一人は、毎日を楽しくあるがまま気の向くままに無計画で過ごす女性。明日はどんな日になるだろうか、と寝る前の少しの時間をテントの外でボーッと待ち望んでいる時だった。ふと空に惹きつけられる輝きを見つけて、その光に希望を抱いていた。

 一人は、大陸中を商いの為に旅をしている女性。久しぶりに大成功して利益を上げた商売の後、彼女は大量の商品を積んだ馬車を操りながら次の街へと向かう途中で、空を見上げた時にその光を見つけて、次の街へ続く旅の道中を楽しんだ。

 一人は、領主の仕事を終えて就寝の準備をしていた女性。彼女は、母親から引き継いだ領地が乱れないように、日々を領地の発展のためになる仕事を捌く事に費やして過ごしていて、一日の終わりに少しの時間だけ自室の窓から街を見下ろす時が一番無防備となり心休まる瞬間だった。そしてふと、街を眺めていた視線を夜空へと上げた時にその輝きを見つけて、心安らいでいた。

 最後の一人は、仕事として領主の護衛を密かに務めている女性。今日も大きな問題もなく、五体満足で無事に過ごすことが出来た事に感謝をしつつ、窓から顔を出している領主を観察し守り続けていた。日課としている、就寝前の窓から顔を出した領主を狙うものが居ないか、念の為に外の警戒をしていた時、領主が見ている視線の先に気づき、輝く光を見て、原因の分からない危険を感じていた。

 五人の女性が見た光。彼女たちは様々な感情でその光を眺めていたけれど、その光が何を示しているのかを、誰もが理解しては居なかった。
 その光は、未来において彼女たちと非常に関係のある人となる、そんな人との始まりの出来事だった。

 

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