10.魔力の目覚め、フシギな力

「ふむふむ、なるほどなるほど」

「なにか分かったか?」

昼食後、ダリヤに早速調べられている俺。
本当はマリアに魔法の基礎を教えるんだったが、
先に俺のことを調べたいとダリヤが言ったので、
マリアは横に居て、座って見学中だ。

今度は、何か水晶のような透明な球を持たせられている俺。

「ソレを光らすことは出来るかえ?」
「コレをか?」

水晶を持ち上げ、ダリヤに向ける。

「そうじゃ」

光らす?
あまりイメージが出来ないが、
とりあえず、球を見つめて集中してみる。
「……」

一向に光る気配はない。
無理そうな感じだが、そう思いダリヤを見る。

「うむ、さすがにいきなりは無理じゃったか」
「コレ、本当に光るのか?」
言って、聞いてみる。
「どれ、貸してみい」
ダリヤがそういうので、渡してやると両手を離して玉が浮かび上がる。

内心ではびっくりしているが、それを声に出さずに見ていると、次第に光り輝く。
光が、胸の一部から頭を経て手に流れて玉に注がれる。
なるほど、ココロを注ぐ感じか。
ココロが見える俺にだけ見えるのか、マリアは玉にだけしか目線を向けていない。

「胸の部分にある魔力を球に加えるようなイメージでやってみい」

ダリヤの”魔力”というのは良くわからなかったが、目を閉じて集中してみる。
先ほどとは違いやり方がある程度分かっているので、その方法を試す。
ココロを注ぐ感じでダリヤと同じような流れをトレースして
胸から頭へ通す感じ、頭を通したら手まで伸ばして、伸ばしたココロを玉に注ぎ込む。

「お、すごいのう。もうコツを掴んだのか。
ワシの教えてない方法もちゃんとできてるじゃないかえ。
それにかなりの光量じゃ」

言われた通り、まぶたの上にかなりの光を感じる。
目を開けてみると、かなりどころの光じゃない、とんでもない光が見えた。
まるで、太陽を間近で目いっぱい見た感じだ。
すぐに目を閉じて、たまに注いでいるココロの量を調節してみる。

先ほど見た、ダリヤの注いだ量を思い出して、同じぐらいに調節してみる。
うん、なかなか上手くいったんじゃないかと思い、目を開けてみると、
先ほどの強烈な光から、ホワっと浮かび上がるぐらいの光になっていた。

「驚いた、もう魔力の調整が出来るようになったのか。すごい才能じゃのう」

光を注ぐのをやめて、ダリヤの方を見て聞いてみた。
「もう良いか?」

「うむ、うむ、なかなか良い才能を持っておる。さすが日本人じゃのう」
「日本人なのは何か関係あるのか?」

「日本人は、もともと魔力の多い種族じゃからな」
「そうなのか」

生きてきて初めての情報。なるほど、日本人は魔力が多いのか。

「うむ、こんなところじゃろう」
「調べたいことは終わったのか?」

ダリヤが終わった終わったと、背を伸ばして身体をほぐしている。
「うむ、ユウト、お主かなりの素質の持ち主じゃぞ」
「それって、日本人だからってやつだろ?」

先ほどの説明で、日本人は魔力が多いとそう聞いたと思ったのだが。

「いや、ちがうちがう。どうやらお主魔力が見えておるじゃろ?」
「魔力が見える?いや、魔力なんて見えてないぞ?」

魔力なんてよくわからないモノ、見えてはいないはずだった。

「ん?お主、わしの魔力をマネして制御しておったじゃろう?」
え?もしかして、今まで生きてきた中で見ていたココロは魔力だったのか?
「ほれ、こうやって真似してみろ」

言って、ダリヤは人差し指をピンと立てて、指先にココロの光を集めたと思うと、
そこから火が噴き出した。

なるほど、ああやってココロを変換させれば火になるのかと学習し、ダリヤと同じように俺も
人差し指を立てて、指先にココロを集めて集中する。

「うむ、そうじゃ。見えておるではないか」

これで確定した。魔力=ココロという事だろう。
今まで生きてきた人生で、見えていたココロ。
こんなところにも影響があるとはな、と思う。

「次は、マリアの番じゃ。しっかりと調べてやろう」
「はい、お願いします」

言われたマリアは、その場に立ち上がってダリヤに近寄っていく。
反対に俺は、マリアとダリヤから離れて座る。

そうか、俺にはこんな力があったのか。
先ほど習った指先から火を出す魔法?を繰り返し行う。
そのまま、ボーっとマリアの魔力検査を眺めていた。

 

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