第15話 初仕事

 冒険者になった翌日から、レオンは早速冒険者としての仕事をしてみることにした。と言っても、新人である彼では現段階で特別な依頼を受けることは出来ない。なので。

「基本的には、周辺に住み着いているモンスターを倒してきて下さい。そして倒した証拠をギルドに持って来てくれたら、モンスターのランクや種類によって実績を記録して報酬を渡します」

 朝一番に冒険者ギルドのに行ってみれば、受付嬢であるミルトにそう説明された。先ずは、モンスターを倒して持ち帰ることが冒険者の第一歩らしい。

「貴方は現在のところランクで言えばG級冒険者ということになります。そこから実績を積んでいって徐々にランクを上げていけば、G級からF級、E級、D級と実績によってランクを昇進していけます」

 師匠から聞いていた通りだと、レオンは頷きながら彼女の話を集中して聞いている。

「ただ、D級までは実績を積み上げるだけで到達できますが、C級より上は昇段試験があるので到達が困難になります」

 最上級S級冒険者までの道のりは長そうだと感じならがら、気持ちが高ぶっているレオン。必ず到達してやる、という気概を持っていた。

「それからモンスターを倒した証について、倒したモンスターが判別出来る特徴的な部分を切り取って持ち帰って来れば良いです。全て持ち帰って来ようとしたら、荷物になって重たいですしね」

 逆を言えば、倒した証を持ち帰らなければ冒険者としての実績や報酬にはならない。必ず、倒したという証がないと認められないと言うこと。レオンはなるべく早く最上級ランクのS級に到達できるよう、忘れないよう胸に刻みこむ。モンスターを倒した証は、必ず持ち帰るべし。

「ただ、可能ならばモンスターの死体を全部持ち帰って来れれば、素材として買い取りますので、報酬がアップします。荷物が増えて、戦いが不利になってとデメリットがあるので、死体を全部持ち帰るのは効率的に考えても利益にならないと思いますが」

 ただしレオンには、アイテムボックスというチート能力によって手荷物を増やすことなく容易にモンスターの死体を持ち帰れそうだった。だから、なるべく死体を全部持ち帰るようにしようと考えている。

「今の時期だと、アサシンウルフの集団には気をつけて下さい。他にコレといった情報はありませんね」

 手元の資料を確認しながら、アドハイスをくれる受付嬢のミルト。アサシンウルフ、森のなかに身を潜めて必殺の攻撃を繰り出す注意するべきモンスターだ。

「あとは、戦闘とは別の方法で冒険者としての実績を積んで報酬を得る手段といえば、収穫依頼を受けるという方法がありますね」

 その名の通り、外から収穫してきて持ち帰った物をギルドに納品すると実績と報酬が受け取れるという方法だった。だがしかし、戦闘でモンスターと戦って得られる分に比べると実績も報酬も少なめではあった。

「今の所は、回復のポーションを作るのに必要な植物が森の中に自生しているので、その植物を採取して持ち帰ってきてもらう、という依頼が一件のみですね」

 収穫依頼は、日によって依頼の数は変動してしまうので安定して仕事を受けるのは困難だった。しかも、依頼がある時と無い時の変動は極端で結局は冒険者として戦闘をしていく必要がある、という訳だった。

「時々、高額な報酬で収穫依頼を出している時もあるので、一日一回はギルドに来て依頼のチェックをしてもらうのがおすすめですね」
「わかりました。ありがとうございます、とりあえず今日はモンスターを狩りに行ってみます」
「それが良いと思います。無事に帰ってきて下さいね」

 一応、レオンは試験を受けて合格した人であるので能力的には問題ないはずだと受付嬢ミルトは、彼とモンスターとの戦いについて心配していない。

 受付嬢との話を終えて、冒険者ギルドを出るレオン。出口付近で控えていた奴隷のルーとケイも一緒だ。

「とりあえず、今日は特に目標も決めずに街の外を散策してみようか」
「わかりました」
「わかったよ」

 レオンのこれからの予定を聞いて、ルーとケイは街の外へ出ていくという事を了承する。まずは、どんな感じなのか地形やモンスターの分布を偵察するつもりだった。

「それで、可能ならルーとケイの戦闘能力も見せてもらいたいな」

 ひとまず2人の能力については、早めに確認しておきたい。どの程度できて、どの程度できないのか。

「私は、今まで戦ったことはありませんから戦いには自信がないです」
「僕はまぁ、何度かモンスターと戦った経験が有るから大丈夫かな」

 ケイは戦闘が出来るという事を言って自信があるようだけれど、ルーは家事が出来るように教育されただけで戦闘は経験が無いという。彼女たちの言うことは理解しているレオンだったが、彼にはある考えがあった。

「心配しなくても、大丈夫だルー。最初は出来なくても、怒りはしないさ。君が今、どれぐらいできるのか知っておきたい。それを、後で確認してみよう」
「わかりました、よろしくおねがいします」

 気合を入れて、やる気を上げたルー。3人は王都から出て、街の外へと向かう。